交通事故 ~自動車修理工場と任意保険会社との間の価格決定(協定)~

弊事務所では交通事故に関するご依頼を多数取り扱っております。

http://www.traffic-accident.jp/

交通事故の案件については、
前事務所に勤務時から相当件数を扱ってまいりました。
以前はやはり人損中心の対応でした。

もちろん開業後も人損事案が大半を占めますが,
当職の実家が,東京都目黒で自動車修理工場を経営している関係で,
日本自動車車体整備共同組合連合会様にも大変お世話になっており、
物損の問題、特に,自動車修理工場と事故の相手方任意保険会社との間の修理価格決定(協定等)の問題を,多数取り扱うようになりました。

さて,交通事故による自動車修理の契約関係は、
通常と異なり,特殊な点が多いです。

まず,交通事故が発生し,事故被害者が修理工場に車を持ってきて依頼するとき,
修理工場からみて修理契約の相手方は被害者であり,
当該被害者との間では,修理契約に基づく債権債務が生じます。

ただ,交通事故の場合,当該修理契約に基づく債権債務の他に,
当該修理代金(料金)に対する賠償関係に基づく債権債務が生じており,
これは,本来,
被害者が加害者に対して損害賠償債権を取得するという形で現れますが,
交通事故の場合,加害者側については,加害者と任意保険会社との契約により,
任意保険会社が対被害者側との交渉を代行し,
最終的な支払いも保険会社が直接被害者側にするということで,
賠償関係の実質的な相手方は加害者ではなく保険会社となります。

現に交渉段階では,加害者側に弁護士が入る場合,
加害者本人だけでなく保険会社の代理人としても,
保険会社の顧問弁護士が出てくることが多いようです。

他方,被害者側も,本来であれば,自らが修理費用を工場に支払ったうえで,
それを損害として加害者やその保険会社に賠償請求していくのが本来の姿ではありますが,
被害者は一時的にでも自ら負担するのを嫌がり,
また,被害者からすれば車がなおればよいと考えているのがほとんどであるため,
全て工場側に任せ,直接修理費用を加害者側に請求してくださいという形で,
加害者側について保険会社が代行するのと同様に,
被害者側も交渉等を工場が代行することが往々にしてあります。

ですので,確かに,本来の修理契約は工場と被害者との間で生じますが,
実際の価格の決定は,その後の賠償関係を無視できないため,
工場と保険会社との間でなされる慣習となっており,
その中で,保険会社が提示してくる低い基準で「協定」をせざるを得なくなる
という場合が多々あるようです。

契約関係においては,その料金は本来当事者の合意により決定されます。
しかし,賠償関係は合意とは関係なく「相当な金額」が賠償されます。
契約で100万円と定めても,後に賠償関係では50万円が相当と判断されれば,
被害者は50万円の賠償しか受けられず,
残りの50万円は過剰な修理として自らの負担となってしまいます。
なので,交通事故においては,
賠償関係を無視して契約関係の価格を決定することは難しいのです。

当職も,幼少の頃から,
実家の工場で遅くまで働く優秀な職人に対しても,
十分な給与を払えないような厳しい経営状態を目の当たりにしており,
現在,この業界のために,弁護士としてできることを模索しております。

そこで,上記の「相当な金額」というものについて,
保険会社のアジャスターの言う安い価格で妥協して協定を締結するのではなく,
各工場ごとに合理的な理由,計算根拠,基準等をきちんと持ち,
それらに基づく「相当な金額」を自身を持って主張できるよう,
個別の賠償事案について対応(保険会社との交渉,訴訟等)するとともに,
一般的な基準等の作成(地域ごと,全国等)についても協力させていただきたいと考えております。

伊倉 吉宣
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伊倉総合法律事務所
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