2周年

本日,2015年2月24日をもちまして,
伊倉総合法律事務所は,開設2周年となりました。

こうして無事2周年を迎えられましたのは,
ひとえに皆々様のお陰と深く感謝しております。

今後もスタッフ一同,今まで以上に努力,研鑽を重ね,
よりよい法律サービスを提供していく所存でございますので,
何卒,引き続きのご支援ご協力のほど,宜しくお願い申し上げます。

伊倉 吉宣
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伊倉総合法律事務所
〒105-0001 東京都港区虎ノ門3丁目7番5号 虎ノ門Roots21ビル9階
TEL:03-6432-4940
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契約書上の仲裁合意・仲裁の特徴

契約書のリーガルチェックのご依頼を対応しておりますと,
紛争解決手段の条項として,
裁判所の合意管轄の条項ではなく,
仲裁合意の条項がある場合が散見されます。
あまりなじみのない制度だと思いますので,
今回は仲裁制度の特徴をご説明したいと思います。

1.はじめに

紛争の解決方法には,任意での交渉を除くと,
裁判所を利用した訴訟(場合によっては調停)と,
裁判外の紛争解決(ADR)の2つに大別されます。

ADRとは,
Alternative Dispute Resolution(代替的紛争解決)
の略語です。
日本では,裁判が主となることが多いことから,
「裁判に代替する手続」と解して,
「裁判外紛争解決」とも呼ばれております。
ADRとしてと,
日弁連交通事故相談センターや,
国民生活センター紛争解決委員会によるADRなど
様々なものがあります。
これらのADRは,
仲裁とその他のADR(和解斡旋,調停等)「調停」に分類できます。

近年,日本企業間の取引契約書等においても
紛争解決の方法として訴訟ではなく(管轄条項の定めではなく)
仲裁機関による仲裁により解決するとの条項になっているものも
散見されるようになりました。

2.仲裁とは~仲裁の特徴~

「仲裁」とは,
当事者の仲裁合意に基づいて,
既に生じている,または将来生じる民事上の紛争の解決を
仲裁人にゆだね,かつ,その判断(仲裁判断)に従って
解決する制度をいいます(仲裁法2条1項参照)。

仲裁は,中立公平な仲裁人によりなされますが,
裁判所を介さない自主的な紛争解決方法ですので,
①当事者が専門的知識を有する仲裁人を選定できる点,
②訴訟と比べると,柔軟な解決が可能である点,
③一般的に訴訟と比べて早期解決が図れる点,
④手続が非公開である点,
⑤仲裁判断には,ニューヨーク条約等に基づいて
国際的な強制力がある点等が特徴です。

この点,最も特徴的なのは⑤の国際的な強制力と言われています。
例えば,外国の企業相手に日本の裁判所に訴訟を起こし,
結果勝訴して確定判決を得たとしても,
必ず外国での強制執行ができるわけではありません。
当該国において外国での判決(この場合,日本の判決)
の承認・執行が認められるかどうかの問題があり,
認められないケースも相当数あります。
そうなると,日本での勝訴判決は‘ただの紙切れ’になってしまいます。

他方で,仲裁判断については,
日本を含めて140カ国以上が加盟しているニューヨーク条約に基づき,
原則として加盟国間では,同条約の要件を満たせば,
外国の仲裁判断でも強制執行が可能となります。
このように仲裁は,国際案件においては,
訴訟に比べて強制執行により実効性を確保し易いのです。

したがって,特に外国企業とのビジネス契約書等の場合には,
仲裁条項を入れておくのも有用であるといえます。

もっとも,ニューヨーク条約等に基づき,
理論的に強制執行が可能であっても,
実際の手続上は容易に認められない国等もありますから,
その点は契約締結の際等にはご留意しておく必要があります。

3.仲裁合意の留意点

このように魅力的な制度である仲裁ですが,
①裁判官に相当する仲裁人の費用は当事者が負担する点,
②仲裁手続における相手の弁護士等の報酬等も
仲裁費用として負担する場合がある点,
③仲裁合意があるにもかかわらず,
その合意当事者の一方が裁判所に提訴した場合,
その他方当事者が仲裁合意の存在を主張すれば,
訴えは却下(いわゆる「門前払い」)されることになる点,
等の特徴があることには留意すべきでしょう。

このうち,③の点に関して言いますと,
仲裁合意は,いったん合意してしまうと,
裁判所による紛争解決(訴訟等)の道を
放棄する選択をしたことになります。
すなわち,仲裁判断に不服があっても,
それを無視してまた新たに訴訟を起こすということはできません。
この場合,その仲裁判断に対する異議申立てを
裁判所に対してすることになるのですが,
その取消事由として主張できるのは法が定めるものに限られます。

このように,仲裁は大変魅力的な制度ではありますが,
それを利用するデメリットもあります。
また,当事者の合意で決められるということは,
他方でよく検討もせずに合意すると思わぬ形で
自社の側に不利な仲裁合意がされる可能性もあるということです。

4.終わりに

仲裁はビジネス(特に国際取引)に適した制度ではあると思いますが,
契約書に仲裁条項がある場合には,
仲裁の意味を認識するとともに,
将来起こることが想定される紛争を見越して,
不利な仲裁合意とならないよう,調査検討することが必要でしょう。

本日は仲裁条項について簡単にお話ししましたが,
その他にも契約書には重要な条項が数多くあります。
個々の事案によって条項も異なりますし,
取引に応じて必要な条項も変わってきます。
契約書に関して,不安な点,
不明点等がありましたら,どうぞお気軽にご相談ください。

伊倉 吉宣
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